美容ディーラーの営業力とは、「売る力」ではない。
- ヤマモト高陽 編集部

- 7月18日
- 読了時間: 7分

商品はどこでも買える時代。
美容ディーラーに求められる、本当の価値とは。

美容室を訪問していると、本当にさまざまな経営者と出会います。
店舗展開を目指す方。
地域密着で一店舗を磨き続ける方。
スタッフを育てることに力を入れる方。
そして最近では、一人で運営するプライベートサロンも増えています。
どの経営スタイルにも正解があります。
しかし、私たち美容ディーラーが考えなければならないことは、
今の姿ではなく「サロンの未来」です。
例えば、40歳で一人サロンを経営しているオーナーがいるとします。
30年後、そのサロンはどのような形になっているでしょうか。
70歳になっても一人で営業を続けるのか。
スタッフを育て、お店を引き継いでいるのか。
あるいは複数店舗を展開しているのか。
答えは、そのオーナーがどんな未来を描いているかによって変わります。
たとえ今は漠然としたイメージであっても、
その未来を一緒に明確にし、実現に向けて伴走していくこと。
それこそが美容ディーラーの本当の役割だと思っています。
商品を届けるだけではなく、サロンの未来を一緒に考え、一緒につくっていく。
それが、私たちが提供できる最も大きな価値ではないでしょうか。
値引きは、本当に必要でしょうか。

営業をしていると、
「もう少し安くなりませんか。」という相談を受けることがあります。
もちろん、価格が必要になる場面もあります。
しかし、そこで一つ考えてほしいことがあります。
その値引きは、本当にサロンの未来につながっているでしょうか。
誰しも、同じ商品であれば少しでも安く買いたいと思うものです。
しかし、私たちは日常生活の中で、本当に価格だけで買い物をしているでしょうか。
例えば、Amazonの方が少し高くても、「明日どうしても必要」「買いに行く時間がない」という理由で購入することがあります。
また、家電も価格だけで選ばれるわけではありません。
設置や初期設定、長期保証、分割手数料無料など、自分にとって価値があると感じれば、多少価格が高くても購入を決める方は少なくありません。
私たちは日常生活の中で、無意識に「一番安い買い方」ではなく、「自分にとって一番価値のある買い方」を選択しています。
つまり、選ばれているのは商品だけではありません。
その商品に付加される価値であり、その価値を提供してくれる販売元なのです。
では、美容ディーラーはどうでしょうか。
サロンにとって、「一番価値を与えてくれる美容ディーラー」とは、どのような存在なのでしょうか。
その答えを考えることが、本当の営業力につながるのではないでしょうか。
価格で選ばれた取引は、より安い競合が現れれば簡単に比較されます。
値引きを武器にした瞬間、勝負の基準は価格になります。
しかし、
経営の相談ができる、
成功事例を共有できる、
人と人をつなげられる、
未来を一緒に考えられる営業は、価格だけでは比較されません。
地域ディーラーが目指すべきなのは、「一番安いディーラー」ではなく、「一番価値を届けるディーラー」である。
私は、それこそが地域ディーラーの営業力であり、商社としての本当の価値だと考えています。
美容ディーラーは「商社」である。

一般的に商社とは、商品だけを売る販社ではなく、商品・情報・人をつなぎ、新たな価値を生み出す会社です。
美容ディーラーも、単なる販売店ではありません。
美容室を総合的にサポートする商社です。
美容ディーラーの役割は、
メーカーと美容室をつなぎ、業界の情報を届け、人と人を結び付け、経営課題の解決を支援することも重要な役割です。
日々、多くの美容室を訪問する美容ディーラーだからこそ、数多くの成功例や失敗例に触れる機会があります。
採用がうまくいったサロン。
スタッフが定着したサロン。
新しいサービスで売上を伸ばしたサロン。
逆に、経営に苦しんでいるサロン。
こうした現場の情報は、美容ディーラーだからこそ持つことのできる大きな財産です。
例えば、
「この採用方法なら参考になるかもしれません。」
「似た悩みを抱えていたサロンでは、このような方法で改善しました。」
「この商品だけではなく、この考え方も取り入れてみませんか。」
商品を販売するだけではなく、情報・人・メーカー・成功事例を結び付け、新たな価値を生み出すこと。
それこそが、商社としての役割です。
商品は、どこからでも買える時代です。
だからこそ、営業担当者自身が価値となることが求められます。
美容ディーラーの営業に求められる力

サロンに寄り添うことと、言われたことを何でも受け入れることは違います。
多店舗展開しているオーナーであっても、一店舗を大切に経営されているオーナーであっても、自分のお店の中だけでは気づけないことがあります。
美容ディーラーは、日々さまざまな美容室を訪問し、多くの経営者と接しています。
だからこそ、
「他ではこんな取り組みをしています。」
「こんな考え方もあります。」
といった、お店の中にはなかった視点を届けることができます。
その一言が、新しい挑戦につながることもあれば、今まで当たり前だと思っていた考え方を見直すきっかけになることもあります。
美容ディーラーの価値は、答えを教えることではありません。
オーナーが、自ら考え、選択し、未来を描くための「きっかけ」を届けることです。
そのためには、商品知識だけでは足りません。
経営を学び、人を学び、業界の変化を学び続けることが必要です。
営業力とは、話が上手なことでも、商品知識が豊富なことでも、値引きができることでもありません。
相手の想いや夢を理解し、その未来を実現するために、新しい視点を届け、共に考え続けられる力。
それこそが、美容ディーラーに求められる営業の価値なのではないでしょうか。
美容ディーラーだからできること

美容ディーラーという仕事には、大きな可能性があると思っています。
一日に何件もの美容室を訪問し、多くの経営者と対話し、さまざまな成功や失敗の事例に触れられる仕事は決して多くありません。
一つの美容室だけを見るのではなく、多くの美容室を見ているからこそ気づけることがあります。
「この取り組みは成果が出ている。」
「この考え方は、多くのサロンでうまくいっている。」
「この課題は、別の方法で解決できるかもしれない。」
そんな"現場で得た知見"を届けられることは、美容ディーラーだからこその強みです。
だからこそ、その経験を商品提案だけで終わらせるのは、あまりにももったいない。
成功事例を共有する。
人と人をつなぐ。
経営のヒントを届ける。
必要なメーカーやサービスを紹介する。
サロンの未来を一緒に考える。
商品を届けるだけではなく、情報・人・機会をつなぎ、新たな価値を生み出すこと。
それこそが、美容ディーラーという商社の本来の役割ではないでしょうか。
まとめ
美容ディーラーの営業とは、商品を売る仕事ではありません。
サロンの未来を考え、経営に寄り添い、必要な価値を届ける仕事です。
価格が必要になる場面はあります。
しかし、営業の価値は値引きをしてくれることではありません。
本当に価値があるのは、
「困ったときは、まずあなたに相談したい。」と思っていただける関係を築くことです。
そのためには、商品知識だけでは足りません。
経営を学び、現場を知り、多くの事例に触れ、相手の想いや未来を考え続けることが必要です。
営業のたびに、「何を売れたか」ではなく、「相手に新しい視点を一つ届けられたか」を振り返ってみてください。
その積み重ねが、価格では代えられない営業力となります。
そして、それこそが美容ディーラーという仕事の本当の価値なのではないでしょうか。
次回予告
独立を考え始めると、多くの人が「自由」という言葉に魅力を感じます。
しかし、その前に一度考えてみてほしいことがあります。
今、会社で経験していること。
先輩や仲間から学べること。
会社だからこそ挑戦できること。
実は、それらは独立してからでは簡単には手に入らない、大切な財産かもしれません。
次回は「会社員だから学べることがある。」をテーマに、会社という環境が美容ディーラーの成長にどのような価値を与えてくれるのかを考えていきます。


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